Vol.09
NANKO NEXT BREAK TIMES

2006年4月、第1期生でATCで開校!
テレビ番組や音楽業界で活躍している若手作曲家、音楽家、白山貴史。現役のミュージシャンとしても数多くのCD制作に関わり、プロのツアーにもギタープレーヤーとしてひっぱりだこ。期待の若手でありつつ、経験してきたプロとして学んだものを、現場から若手に伝えようと、その育成にも力を注いできた。改革中の新生ATCの南港の街おこしという趣意にも賛同して、南港の文化を担う意味もこめて、関西のプロのアーチストの連合で、ユニークな音楽人スクールをこの春、ATC4階で開校する。大阪南港から音楽人を育てたい。世界に通用するプロを養成していきたいと、いよいよスタート決まった。スクール建設が始まったATCの4階の準備室でその抱負を聞いた。(本紙編集長)
─いよいよ大阪南港音楽人スクール開校ですね。
育てるところから始まる

 この南港から日本を代表するような、ミュージシャンやアーチストを育てたいと思います。これは私の夢ですが、言いかえれば、関西のプロの現場のミュージシャン達の代弁でもあります。たまたま全国で音楽の仕事をしてきて思ったことは、関西は本当は文化都市だということです。たくさんの文化、伝統芸能からポップスやロックまでの、サブカルチャーが暮しの中にいっぱいあり、それが商業としても発展してきた、原動力になっているのではないでしょうか。庶民文化としての幅と量があるのです。ところがどうしても有名になるとか、ビジネスにするとなると、悔しいかな東京です。中心が向こうに多いということです。であれば中心を関西でも作っていかなくては成りません。関西アーチストとしての夢はたくさんありますが、まずは育てるということから始めたい。


─開校する動機を教えて下さい。
チャンスを貰い、チャンスを作る

 ひとつはATCが私たち関西の若手アーチストのチャレンジを本当に応援してくれているということです。チャンスを作ってくれました。それに市民として応えていこうと思いました。南港の街おこしの一翼を担っていきたい。先日、九州の若手ダンススタジオの発表会で音楽監督をお手伝いしました。たかが発表会でありますが、大変素晴しい舞台でした。岡崎さんという主催者は生徒が子供とはいえ、舞台に立つことの意味をしっかりと教えようとがんばっています。ダンス教室をこえて、若い舞台人の養成学校になっていました。タレントスクールというフレコミではなく、ダンス教室なのですが、音楽も演劇もお笑いも学ばせて、九州のマスコミからも注目され、テレビ出演までできる若手が育ってきたようです。その公演は達成感と完成度と、スタッフキャストそして父兄との一体感で、全員で終了と同時に泣くわけですが、これは一体どういうことなのでしょうか?子供がのびのびと楽しんでがんばる。もちろん舞台のルールである、人と協力しあうことや、訓練しなければ達成しない目標であるとか、子供にとっては過酷な努力も必ず要求されます。しかし、楽しむという子供のエネルギーは素晴しいものがあります。これをこえて努力していく。私たち大人も昔子供だった頃あったはずです。ほんとうは学校教育の現場で、家族の中で、こんなことがあればいいのですが、なかなかこういう現場に出会えません。こう言ったできごとと、先達が若い人に伝えていく研修の現場をどんどん作っていこうというのが、この大阪南港音楽人スクールの開校の動機です。音楽を楽しんでいく生活の提案と、プロの養成をコースにしてスタートします。私たちも南港からチャンスを貰った。そのチャンスを関西の若者たちに渡していきたい。


─ミュージカル劇団も発足とか?
南港歌劇団で日本一をめざす

 もう1つ朗報は、今お話しした九州のダンススクールの主催者である、岡崎さんは大阪の出身で、私達の学校の趣旨に賛同して、この南港でも養成を始めたいと、同時発足でオーディションで募集していく南港歌劇団を結成する予定です。養成コースとプロのダンサー&シンガー&タレントの育成を始めてくれます。岡崎さんはもともと演劇が出発点で、業界で学んだことを若い人に伝えていきたいと言う思いですから、これも私たちと同じです。関西発の若手育成が音楽とダンスと演劇で始まることになり、南港の宝物になるように頑張りますので、ぜひ地元応援団などもいっしょにつくって行きたいと思いますので、ご期待下さい。


─本格的スタートだそうですが。
7年前から準備してきました

 私の音楽はギターから始まりました。小さい頃からギターを触ってきて、この好きな楽器で生きていけたら、という思いだけでここまでやってきました。19歳の時にヤマハの講師に抜擢されて、結構早い時期から人に教えていくことも、興味を持たせていただけました。自分がプロのミュージシャンたちと仕事ができたこと、プロの洗礼と言いますか、そこで教えられたこと、厳しさ、楽器がうまければいいということではないこと、常に人と人が共に作っていくということが、現場であることなどなど、学校では教えてはくれなかったことがたくさんありました。一方たくさんの先輩諸氏のおかげで、私のささやかな才能も、テレビ業界、音楽業界などで評価を受ける仕事をさせていただきました。その仕事をやりながら、多くの現場で優秀なミュージシャンに出会い、多くの人達が、このままではいけない。若い人に伝えていかなくてはいけない。私と同じ思いがありました。そんな思いが集って、7年前に小さな養成コースとスタジオを新大阪に作りました。これまでが準備期間で、いよいよ本格的に学校にしていこうと思います。


─南港音楽祭に感動されたそうですね
やろうとしていたことが南港にあった

 私たちスタジオの新人達の発表をこの南港ATCの海辺のステージでやらせていただく機会に恵まれました。そこで南港アーチスト委員会とめぐりあいました。私たちのやってきたこと、やろうとしていることを、大阪中の活動中のバンド達と始めていました。これは感動的な出会いでした。私たちの学校も、そろそろ本格的に第2期に入ろうかと考えていた矢先でした。アーチスト委員会は、南港ATCに市民から提案をして開催が決まったという経緯で、大阪市民のチャレンジに対して応援をしてくれるらしいと聞きました。すぐに関西アーチスト連合でのプロ育成学校。これを真剣にたくさんの有志と相談しまとめ提案して、大阪南港音楽人スクールとして開校することになったのです。この実現には、南港アーチスト委員会の企画委員の小村君と三宅君が大変尽力いただきました。趣意は同じですから、南港音楽祭といっしょになって、南港の文化による街おこしの1つと思って盛上げていきたいと思っています。


─最後にコマーシャルをどうぞ。

 南港第1期生で4月開校ですが、毎月無料体験教室も開催予定です。プロ養成コースと同時に、たくさんの現役プロミュージシャンの参加で、やりたい楽器の完全マスターコースなど、音楽を楽しみたいという方のためなどなど、音楽のある生活提案もプログラムして頑張っていきたいと思います。音楽は楽しむものですから、年齢を問わず、オズの4階の音楽人スクールにお気軽にお越しください。


─どうもありがとうございました。



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